Microsoft 365 Exchange標準アーカイブのリスクと対策

Microsoft 365に関するセキュリティ強化、コンプライアンス強化のブログの連載第２弾

本連載はバラクーダネットワークスジャパン株式会社と株式会社テンダのコラボにより月次配信をしています。

皆様の所属する企業や組織でMicrosoft 365を既に利用されている方、これから利用を検討される方たくさんいらっしゃると思います。Microsoft 365では様々なアプリケーションが用意されていますが、メールを情報のやりとりのメインツールとして利用されているお客様は正直まだまだ多くいらっしゃるかと思います。

今回は、Microsoft 365、主に Exchange Onlineのメールについて、特にメールアーカイブについてご紹介したいと思います。

メールアーカイブの目的

これまでメールアーカイブというと、以下の目的で導入されるお客様が多くいらっしゃいました。

クラウドメールへの移行のため、過去のメール資産はアーカイブシステムにインポートする。
SOX法、関税法、PL法、eディスカバリ対策のコンプライアンスとして導入する。
情報漏えいやハラスメント対策としての抑止力として導入する。
メールのバックアップとして導入する。

これらに追加して、最近では、電子帳簿保存法の改定から、メールの電子帳簿保存法対応目的でご検討いただくケースが増えています。

メールの電子帳簿保存法対応目的で導入いただくためには、Outlookのようないわゆるメーラーでのメール保管では不十分で、アーカイブでは以下の条件を満たす必要があります。

改ざん防止

保管するメールは、変更時に履歴を残す。もしくは、保管されているメール自体が編集できない状態である必要があります。

長期間の保存

保管するメールは7年から10年間、保管しておく必要があります。

様々な条件での検索

税務調査の際に、必要とされるメールを素早く探し出すためには、取引先名、日付、金額などでメールの本文はもちろん、添付ファイル内の検索ができる事が必要です。また、7年から 10年と長期に渡って保管するメールから検索する必要が出てくるので、検索速度も非常に重要なようとなります。

バックアップでメールを保管を検討される方もいらっしゃいますが、素早く取り出すにはアーカイブが最も適したソリューションとなります。

MicrosoftでもMicroosft365 E3や同等のライセンスにはExchange Online Archivingプランが標準で適用されているので退職者のメールを保持することができますが、ビジネスベーシックやビジネススタンダードといったライセンスにはオプションとして提供されます。また、問題点として、Exchange Online Archivingはメールデータ保持がどちらかというと主目的であり、アーカイブしたメールの検索性はあまりよくないという欠点があります。

メールアーカイブの課題対策にはCAS

これらの課題を解決できるのが Barracuda Cloud Archive Service（以後、CAS）です。
特長としては大きく 4つあります。

Microsoft 365専用のアーカイブSaaS

Microsoft 365専用のアーカイブSaaSとなるため、お客様でサーバやストレージ、ソフトウェアをご用意いただく必要がございません。それに加え、ストレージ容量も無制限で提供いたしますので、長期間のメール保管も安心です。

高速な検索性能

CASはすべての送受信メールのアーカイブし、インデックス付きの完全なアーカイブデータにより高速な検索を実現します。また、検索もフリーワードによる検索を実現する全文検索機能と条件を複数組み合わせることで必要なメールに素早くたどり着ける条件検索機能の 2つが用意されています。

様々なコンプライアンスに適合

ロールベースのアクセスと検索はもちろん、監査役ロールへの検索ポリシー割当てが行えるため、必要な条件に合致するメールのみを監査の方への一時的なアカウントに付与することができます。また、全操作の詳細な監査ログやアーカイブしたメールにしてする文字列が含まれている際のポリシーアラートなども設定することができます。