Notesからの脱却:クラウド時代に最適なグループウェア移行のすすめ

かつてグループウェア市場を席巻したNotes(現 HCL Notes/Domino)は、1989年の登場以来、多くの企業で情報共有基盤として活用されてきました。しかし、クラウドサービスが主流となった現代において、その役割は変化しつつあります。特に、Notes バージョン9および10の延長サポートが2026年6月に終了予定であることは、多くの企業にとって大きな転換点となるでしょう。

本記事では、Notesからの移行がなぜ今重要なのか、そしてクラウド時代に最適な移行先や進め方について解説します。サポート終了のリスクを回避し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのヒントとなれば幸いです。

参照元:https://support.hcltechsw.com/csm?id=kb_article&sysparm_article=KB0099100

なぜ今、Notesからの移行が必要なのか?

長年にわたり企業の基盤システムとして活躍してきたNotesですが、クラウド全盛の現代においては、いくつかの課題が顕在化しています。最も大きな理由は、サポート終了に伴うリスクです。サポートが終了すると、セキュリティパッチの提供がなくなり、脆弱性を突かれた攻撃のリスクが高まります。また、OSや他のソフトウェアとの互換性問題が発生する可能性も否定できません。

さらに、DX推進や働き方改革への対応という観点からも、Notesからの移行は急務と言えます。テレワークやハイブリッドワークが普及する中で、場所を選ばずにアクセスでき、多様なデバイスで利用可能なクラウドベースのグループウェアは、柔軟な働き方を支える上で不可欠です。Notesの運用・保守にかかるコストや専門知識を持つ人材の確保も、企業にとっては負担となりつつあります。これらの課題を解決し、モダンなコラボレーション基盤を構築するためにも、Notesからの移行検討は避けられない状況です。

Notes移行における課題とは?

Notesからの移行は、単にデータを新しいシステムに移すだけではありません。長年の利用によって蓄積された膨大なデータや、独自にカスタマイズされたアプリケーションの存在が、移行を複雑にする要因となります。特に、Notesの大きな特徴であるアプリケーション開発基盤としての側面は、移行の難易度を大きく左右します。

メールやスケジュールといった基本的な機能は比較的移行しやすいものの、掲示板や文書管理、さらには承認ワークフローや業務に特化したカスタムアプリケーションなどは、移行先のシステムで機能を再現するために、慎重な検討と計画が必要です。特に、Notes DBで構築されたワークフローや業務アプリケーションは、移行先のプラットフォームで再構築する必要があり、高い技術力と工数が求められます。移行先の選定ミスや、移行計画の不備は、業務の停滞やコストの増大を招くリスクがあります。

Notesアプリの機能毎の最適な移行先と進め方

Notesからの移行を成功させる鍵は、Notesで利用している機能やアプリケーションの種類に応じて、最適な移行先を選定し、段階的に進めることです。ここでは、Microsoft 365を移行先とした場合の一般的なマッピング例をご紹介します。

メール・スケジュール: 移行難易度は比較的低く、Microsoft Outlook / Exchange Online への移行が一般的です。使い慣れたインターフェースで、メール、予定表、連絡先などを統合管理できます。

掲示板 / 文書管理: 移行難易度は中程度です。Notes DBで構築された情報共有やファイル管理の機能は、SharePoint Online への移行が有力な選択肢となります。豊富な機能と柔軟な権限管理により、ポータルサイトや文書管理基盤として活用できます。

 ワークフロー / 業務アプリ: 移行難易度は高く、専門的な知識が必要です。Notesで開発された複雑なワークフローや業務アプリケーションは、SharePointの標準機能では対応が難しく、Power Apps / Power Automateなどのローコード・ノーコード開発プラットフォームを活用して再構築することが推奨されます。これにより、クラウドネイティブなアプリケーションとして、拡張性やメンテナンス性を高めることができます。

従来のオンプレミス環境でのシステム再構築と比較して、Microsoft 365のようなクラウドプラットフォームへの移行は、初期投資を抑えつつ、常に最新の機能を利用できるメリットがあります。Notesの移行は、一般的に「移行方針策定(現状分析、移行対象のグルーピング)」「要件定義」「設計・構築」「展開(データ移行、テスト、本番稼働)」の4フェーズで進めていくことになりますが、前半の移行方針策定フェーズにおける移行プラットフォームの選定と現状環境の分析・移行方針の検討が、後の各フェーズの指針となり移行の成否に 大きく影響するため、大変重要となります。

スムーズな移行を実現するために(テンダの支援)

 Notes移行は複雑なプロジェクトであり、専門的な知識と経験が不可欠です。弊社(テンダ)では、10年以上にわたり数多くのNotes移行プロジェクトを支援してきた実績があります。お客様のNotes環境を詳細に分析し、最適な移行計画をご提案します。

テンダが提供する主な移行支援サービスとツールは以下の通りです。

・Notes移行アセスメントサービス:現在のNotes環境を可視化し、移行対象の棚卸しや 移行方針策定を支援します。

・Notesメール・スケジュール移行ツール、サービス:Notesメールやスケジュールデータを、移行ツールを用いてExchange Onlineへ移行します。

・Notesアプリ・データ移行ツール、サービス:掲示板、ファイル管理等の比較的難易度が 低いNotes DBを、SharePoint Online環境にアプリを再構築したうえで、移行ツールを 用いて文書データを移行します。

・Power Platformを活用したNotes移行サービス:企業の業務に応じて独自に開発された業務アプリやワークフロー機能を有する複雑なNotes DBを、Power Platformの各種 機能を組み合わせてSharePoint環境に移行します。

まとめ・結論

Lotus Notesのサポート終了が迫る中、クラウドベースの新しいグループウェアへの移行は、多くの企業にとって喫緊の課題です。特にMicrosoft 365は、Notesの各機能を代替・強化できる有力な移行先となります。メール・スケジュールの移行から、SharePoint Onlineによる情報共有基盤の構築、さらにはPower Platformを活用した業務アプリケーションのモダナイゼーションまで、段階的かつ計画的に進めることが重要です。

移行は単なるシステムの入れ替えではなく、業務プロセスを見直し、働き方を変革する絶好の機会でもあります。しかし、その道のりは平坦ではありません。移行計画の策定、技術的な課題の克服、そして移行後のユーザーへの教育や定着化支援など、考慮すべき点は多岐にわたります。Notes移行を成功させるためには、信頼できるパートナーとの連携も視野に入れることをお勧めします。

 

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