ファイルサーバーからSharePoint Onlineへ3TBのデータ移行
多忙な情報システム部門で対応できた要因に
「SharePointデータ移行サービス(ShareGate)」

モノづくりのプロ向け電動工具を製造発売するグローバルメーカー、工機ホールディングス株式会社では、2018年にMicrosoft 365を導入しました。これを機会に、ファイルサーバー上の3TBにおよぶデータをSharePoint Onlineに移行することになりました。

手動での移行は工数/時間的に非現実的と判断し、対策を模索しました。「Office365利活用技術サービス」を通じてパートナー関係にあったテンダから聞いて知った、「SharePointデータ移行サービス(ShareGate)」を導入しました。これにより、エラーハンドリングの容易なファイル移行が実現。多忙な中にあっても情報システム部門で、この業務を実施することができました。

今回はプロジェクトを担当された、工機ホールディングス株式会社 デジタルトランスフォーメーション本部 ビジネスプロセス革新部 IT共通サービス課の小池 直和さん(インフラの運用・管理業務を担当)に取材してお話を伺いました。

[課題]
・3TBのデータを手動で移行するのは負荷が非常に高くなる
・手動による移行ではエラー原因がわかりづらく対応工数が大きくなる

[施策]
・テンダの「ShareGate評価サービス」を利用して検証を実施
・テンダの「SharePointデータ移行サービス(ShareGate)」を採用して移行を実施

[効果]
・ShareGateの活用によりほかの業務と同時並行で移行を実現できた
・効率的なエラーハンドリングで作業時間を短縮できた

モノづくりのプロ向け電動工具のグローバルメーカー

工機ホールディングス株式会社は、電動・エア工具を製造販売する日本のグローバルメーカーです。2018年6月、日立工機株式会社から現在の社名に変更、電動工具ブランドは「HITACHI」から「HiKOKI」となりました。「metabo」、「metaboHPT」、「CARAT」、「SANKYO」といったブランド名でも製品を展開しています。使いやすく信頼性の高い同社製品は世界中からニーズが高く、特にパワーとスタミナを誇るコードレス電動工具は、モノづくりのプロに極上のユーザー体験を提供しています。

ファイルサーバーからSharePoint Onlineへの移行を決断

2018年に同社は日立グループから離脱しました。それまで日立グループのMicrosoft 365テナントを利用していましたが、これを機会に自社テナントのMicrosoft 365を導入しました。また、システムのクラウド化を推進するため、社内で運用していたオンプレのファイルサーバーをSharePoint Onlineに切り替えることに決めました。

ファイルサーバーは、大きく2系統ありました。1つは営業部門が利用しているもので、もう1つは営業部門以外の部門が利用しているものです。2系統でデータの総量は3TBにのぼりました。

手動での移行は工数/時間的に非現実的

小池さんは、まず手動移行の現実性を検証しました。そこで気づいたのは、ファイル命名規則などが原因により、一定の割合でエラーが発生するということでした。

2~3のファイルを移行するぐらいならまだいいのですが、100ぐらいのファイルを同時に移行する場合は大変です。エラーが発生したとき、どのファイルが原因で起こったのかを1つ1つファイルを詳しく見ていく必要があるからです。このエラーハンドリングの時間が馬鹿になりませんでした。

それでなくても企画業務やユーザーサポート業務などでIT共通サービス課は多忙です。また、ファイルサーバーのOSも、延長サポート終了が2023年中に迫っており、時間的な猶予はあまりありませんでした。小池さんは、別の手段をとらなければ実現は不可能だと判断しました。そこで相談したのが、「Office365利活用技術サービス」を通じてパートナー関係にあったテンダでした。

ShareGateのトライアルを決断

小池さんは、次のように語ります。

「Microsoft 365の自社運用は初めてのことで、ノウハウの蓄積に苦慮していた4年前、『Office365利活用技術サービス』による技術サポートは非常に助かっていました。たとえば、SharePoint上でファイルが更新されるとユーザーにメールで通知が届きますが、初期設定だと毎日すごい数になってしまいます。そこで、Power Automateを使って10日に1回通知するという仕組みを実現するための支援を受けました。そのテンダから、ShareGateというツールでファイルサーバーのデータをSharePoint Onlineへ移行できると聞いて、試してみようと思いました」


移行ツールの「ShareGate」

エラーハンドリングの容易さでShareGateを採用

まず、テンダの試用版ライセンスによる「ShareGate評価サービス」を利用しました。これは、購入を決定する前に試用版ライセンスを使い、ShareGateの評価を行うというものです。テンダのエンジニアが1日訪問、お客様が想定しているシナリオにあわせて検証作業を行い、ShareGateがどう役に立つのかを見ていきます。その後、小池さんは1か月間トライアルを続け、ファイルサーバーからのデータ移行を検討した結果、ShareGateの採用を決定しました。

「ファイルサーバー上のデータをSharePoint Onlineに移行したい、というわれわれの目的に合致していたため、他社サービスとは特に比較することなく決めました。これで行こうと思った最大の理由は、エラーの後追いができたことです。エラーが発生したとき、ShareGateならどのファイルが原因でエラーとなったかが特定できるので、そのファイルだけピンポイントで対処すれば済みます。これが移行作業時間の短縮につながると考えました。

また、ShareGateはUIが英語だったのですが、ツール上で行う作業はシンプルなので迷うことはありませんでした。また、テンダさんが日本語でサポートするとのことだったので、安心して導入を決めることができました」(小池さん)

準備の整ったユーザー部門のファイルから着手

ShareGateという強力なツールが手に入ったこともあり、ファイル移行作業をIT共通サービス課で引き受けることにしました。
まず、関連会社を含め約20のユーザー部門に対して案内を出しました。内容は「ファイルサーバー上のデータをクラウドへ移行します。検討期間を設けるので、それまでに不要なファイルを削除してください。現在のフォルダー構成でも構いませんが、必要ならこの機会に見直してください」というものでした。

そして、見直しが完了したと連絡が来た部門から順に移行を着手しました。

回線帯域に余裕がある週末の夜間に移行作業

作業を行う時間として選んだのは週末の夜間でした。これは、平日の日中は多忙で時間がなかなか確保できないからでもあり、週末夜間の方が回線の帯域に余裕があるからでもありました。

しかし、操作自体はテレワークで行えるため、わざわざ出勤する必要はありません。いざファイル移行が始まってしまえば、PCの前から離れることもできます。ShareGateではオプションで「High」、「Normal」、「Minimum」と移行速度を選べます。いろいろ試した結果、同社の環境ではNormalが最も安定的に移行できるとわかり、これで進めました。

そして、エラーが発生したときだけピンポイントで対処するというフローで移行を進めました。小池さんは早い段階でShareGateの操作に習熟できたため、テンダのサポートを必要とする場面はほとんどなかったといいます。

2022年度中の移行完了に目途

2022年11月時点で、3TBあるデータのうち約2/3(2TB)の移行が完了しました。残りの1TBについても、2022年度中には移行が完了する予定です。現在は、部門で管理しているNAS上にあるOfficeファイルなども移行の対象になっているそうです。

小池さんはShareGateを活用したデータ移行について次のように語ります。

「当初期待したとおり、エラーハンドリングが楽だったのが、一番良かった点でした。エラー原因が何だったかを探るのに時間を使うのは精神的にストレスがたまるので、それが回避できたのは良かったと思います。エラー原因がすぐに特定でき、それに対処すればいいだけだったので作業時間を短縮できました。また、ShareGateによる移行ではエラーが出なかったのにデータは移せてなかった、ということは今までなく、安心して移行作業が行えました。」

1年を通じて多忙であるにもかかわらず、情報システム部門でファイルサーバーからSharePoint Onlineへのデータ移行を実施できた背景には、力強い助っ人ShareGateの存在がありました。

 

会社プロフィール(2022年3月31日現在)

工機ホールディングス株式会社
設立:1948
代表取締役 社長執行役員:寺口 博
資本金:1億円
従業員数:6,604人(連結)
本社所在地:東京都港区港南二丁目15番1号(品川インターシティA棟)
事業内容:電動工具などの製造・販売

 

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