Power Automateでのリマインド通知

本記事ではPower Automateを使って、SharePoint Online(以下SharePoint)のリストで更新が行われていないアイテムを抽出し、リマインド通知のメールを自動送信する方法を紹介します。

通知メール送信の概要

今回作成したフローは、更新が行われていないアイテムについてのリマインド通知メールを送信するため、SharePointリストのアイテムの更新忘れや対応漏れの防止に活用することができます。

今回利用するSharePointリスト

お客様からのお問い合わせ一覧を想定して実装を行います。リストの内容は次の通りです。

ShaerPointリストの概要

SharePointリストの列 内容
インシデント番号 お問合せごとに設定する番号。番号は他のインシデント番号と重複しません。
件名 お客様よりお問合せいただいた際のメールの件名
ステータス お問合せの現状のステータス(選択内容:受付、お客様確認待ち、対応完了)
受付担当者 お問合せの対応を行っている担当者
お問合せ内容 お客様よりお問合せいただいた内容
お問合せに対する回答内容 お客様よりお問合せいただいた内容に対する回答内容
更新日時 SharePointリストのアイテムの更新日時

フロー全体の流れ

フロー全体の流れは以下の通りです。

①Power Automateフローの作成とスケジュールの設定
②変数の初期化
③SharePointリストから条件にマッチするアイテムの取得
④ステータスが1ヶ月以上変更されていないアイテムの抽出
⑤変数に値を追加
⑥メールの送信

Power Automateフローの作成とスケジュールの設定

1.メニューの「作成」から「スケジュール済みクラウド フロー」を選択します。

2.「フロー名、開始日、繰り返し間隔」を入力し、設定曜日を選択した後、[作成]ボタンをクリックします。
・フロー名:オープン中お問合せ通知
・開始日:(任意の日時を設定)
・繰り返し間隔:2週間
・設定曜日:月

以下の内容でフローのトリガーが作成されました。

3.「開始時刻」が協定世界時(以下UTC)で設定されているので、日本標準時(以下JST)に変更するため、「タイムゾーン」を「(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京」に設定し、「開始時刻」の末尾のZを削除して時刻を修正します。

4.未入力の設定時刻を入力します。
・設定時刻(時間):8
・設定時刻(分):30

変数の初期化

メールで送信するテキストを格納するための変数を初期化します。

5.検索欄で「変数を初期化」と検索し、「変数を初期化する」アクションを選択します。

6.「変数を初期化する」アクションの「名前」と「種類」を設定します。
「種類」には「文字列」を選択します。

「値」はあとで設定するため、空の状態にしておきます。

SharePointリストから条件にマッチするアイテムの取得

7.検索欄で「SharePoint」と検索し、「SharePoint」コネクタを選択します。

8.検索欄で「複数」と検索し、「複数の項目の取得」アクションを選択します。

9.「複数の項目の取得」アクションを設定します。
「サイトアドレス」と「リスト名」、さらに今回は「フィルタークエリ」を入力します。

フィルタークエリ入力例:Status eq '02.お客様確認待ち'

上記では、「フィルタークエリ」で「ステータス」列の値が「02.お客様確認待ち」のアイテムのみを取得するよう設定しています。

ステータスが1ヶ月以上変更されていないアイテムの抽出

10.「条件」アクションを選択します。

11.「条件」アクションを設定します。

getPastTime(30,'day')

上記では、「更新日時」が「現在日時から30日前」の日付以下の値であれば、trueとするように式を設定しています。

変数に値を追加

ステータスが1か月以上、変更されていないアイテムに対して、「更新日時」の時刻と書式を修正し、メールで送信するテキストを変数に追加します。

12.「はいの場合」の中で、検索欄から「タイム」と検索し、「タイムゾーンの変換」アクションを選択します。
このアクションでは、メールで送信するテキスト用に、UTCで表示される「更新日時」をJSTに変更し、書式設定も変更しています。

13.「タイムゾーンの変換」アクションを設定します。

14.「はいの場合」の中で、検索欄から「文字列変数」と検索し、「文字列変数に追加」アクションを選択します。

15.「文字列変数に追加」アクションを設定します。

メールの送信

16.「Office 365 Outlook」コネクタを選択します。

17.Office 365 Outlookの「メールの送信(V2)」アクションを選択します。

18.「メールの送信」アクションを設定します。

通知メール送信の動作確認

最後にフローを実行して、動作確認します。
問題なく設定したタイミング(月曜の朝)でメールが自動送信されることを確認してください。

Power Automateフローの全体像

今回作成したPower Automateフロー(以下フロー)の全体像です。
(クリックで拡大します)

まとめ

  • 毎日使用しているOutlookにメール通知されるので、目につきやすくなり、作業が滞ることを予防できる
  • 時刻を扱う際は、データがUTCなのかJSTなのか注意する
  • 通知するだけなので、タスク管理の仕組みを取り入れたい(改善課題)

関連サイト

Microsoft 365 利活用|株式会社テンダ