100件以上のプロジェクト情報の全掲載
不可能と思われた構想をテンダのMicrosoft 365利活用技術で実現

日本が誇る世界最大の総合楽器・音響メーカー ヤマハ株式会社では、毎年社内イベント Yamaha Awardsを開催しています。これは、2008年から行われている同社の表彰制度です。管掌部門であるコーポレート・コミュニケーション部には毎年100件以上の応募がありますが、部内ではポータルサイト Yamaha Awards サイトにプロジェクト情報を全件掲載する工数が割けませんでした。そこで、グループポータル再構築を支援していたテンダに雑談ベースで相談したところ、3日後にはページ作成自動化が可能と判明。同社はその案を採用し、2022年度から応募されたプロジェクト情報の全件掲載が現実のものになりました。

今回はYamaha Awards担当の、ヤマハ株式会社 ブランド戦略本部 コーポレート・コミュニケーション部の清洲さんに取材してお話を伺いました。


【取材対象者】
ヤマハ株式会社 ブランド戦略部 コーポレート・コミュニケーション部 清洲さん

[課題]
・イベントサイトにプロジェクト紹介ページを全件掲載(100件以上)したいが工数面で困難だった
・応募者に顔写真手配など関連業務で負担をかけていた

[施策]
・MicrosoftのPower Automateを使ってSharePointページの制作を自動化し全件掲載
・MicrosoftのPower Automateを使って応募者情報の取得を自動化

[効果]
・プロジェクト紹介ページを全件掲載したことで、イベントサイトのPVアップ(イベント認知度アップ)
・ページ作成が自動化されたことでイベント担当者はクリエイティブな時間をとれるようになった
・応募者の関連業務が削減された

日本が誇る世界最大の総合楽器・音響メーカー

ヤマハ株式会社は「音」を追求する企業です。その歴史は1887年、創業者がリードオルガンの修理をきっかけとして、オルガン製作に成功したことに始まります。以来130年以上にわたって、楽器、音響機器をはじめとしたさまざまな製品・サービスを提供し続け、世界中で広く親しまれるブランドになりました。

現在は新中期経営計画「Make Waves 2.0」の下、社会環境が変化する中で持続的な成長力を高めていくことに注力しており、事業基盤のさらなる強化、サステナビリティの追求、ともに働く仲間の活力最大化にまい進しています。

特にサステナビリティ領域では、楽器・教材の提供や教員養成に協力する「スクールプロジェクト」を新興国で展開しているほか、木管楽器に使われる希少木材の調査や保全活動をタンザニア連合共和国で行うなど、木材資源の持続的な活用に向けた取り組みも進めています。

“挑戦”を称える社内イベントYamaha Awards

ヤマハグループには、「企業理念」、「顧客体験」、「ヤマハクオリティー(品質指針)」、「ヤマハウェイ(行動指針)」で構成されるヤマハフィロソフィーがあります。このフィロソフィーを体現する活動をグローバルに共有するとともに、高みを目指して挑戦する風土を醸成する目的で、Yamaha Awardsという表彰制度があります。

Yamaha Awardsという名称での取り組みは、2008年からスタートしました。2017年からは審査方式を一新。各部門での審査を経て、最終審査に進んだ約15プロジェクトの代表者が、毎年10月12日の設立記念日「Yamaha Day」にプレゼンを行い、その年のグランプリと各賞が決定します。

困難だったプロジェクト情報の全件掲載

ヤマハのブランド戦略本部 コーポレート・コミュニケーション部は、グループ内コミュニケーションを通じて従業員がYamahaブランドを誇りに思い、モチベーション高くさまざまな取り組みに挑戦できる企業風土の醸成をミッションとする部門です。同部門はYamaha Awardsの事務局も務めています。

Yamaha Awards担当者の清洲さんは、グループ内の応募者から提出されたプロジェクト紹介ページをイベントサイトにアップロードして社内に広報する業務を行っていました。しかし、毎年100件以上の応募があるため、応募者全員のプロジェクト情報をサイト掲載するのは工数やスケジュールの面で難しく、プロジェクトのタイトルのみを全件掲載し、プロジェクトの詳細情報はファイナリストの15件に絞って掲載していました。清洲さんは、それをもどかしく思っていました。


Yamaha Awards担当の清洲さん

「Yamaha Awardsでは、常に『成果の大小に関わらずエントリーしてください』と伝えています。この制度は優れた取り組みを紹介するだけでなく、部門内で取り組みを共有・奨励しあうことによるエンプロイー・リレーションズの向上も狙っています。これらの取り組み一つひとつが挑戦であり、それを社内で公開・共有していくのが、広報のミッションといえます。イベント運営事務局のリソースやノウハウがないために、挑戦したことを広く知らせることができないというのは大きな課題でした」(清洲さん)

グループポータル再構築のパートナーだったテンダに相談

そうした中で、コーポレート・コミュニケーション部内で名前が出たのがテンダでした。実は、2020年にヤマハのグループポータル再構築があり、コンペで選ばれたテンダがそこから関与していました。課題に対して、技術・コスト面で実現可能な内容を提案するテンダを信頼し、この件についてもテンダに相談してみようということになったのです。

グループポータルに関するオンライン会議にゲスト参加した清洲さんは、「応募者から提出されたプロジェクト情報をもとに、プロジェクト紹介ページを自動作成するようなことはできますか」と、自分の言葉でテンダに尋ねました。

プロジェクト全件掲載の自動化は可能と明言したテンダ

この会議から3日後、ページ作成自動化に関するスキーム提案がテンダから出てきました。清洲さんは、正直驚いたといいます。

「できるんだ!と思いました。雑談ベースでの話でしたし、できなくてもしかたがない、と諦めの気持ちの方が強かったんです。それなのに、素人の私が拙い言葉で話したことを全部酌みとって、それを提案までつなげてくれたというのが、想定外でしたし、そこに感動しました。この提案によって全件掲載への目途が立ちました。テンダはグループポータル担当チームの評価も高く、これで安心して任せられる、ぜひ一緒に組みたいと思いました」

2022年度からページ作成自動化を実現

2022年度のイベント「Yamaha Awards 2022」のサイトオープンに向け、2022年1月からプロジェクト紹介ページを自動作成するための開発がスタートしました。これは、予定したスケジュール内で終了。応募者から提出された資料が集まった段階で、清洲さんがアプリケーションを実行すると、ページが生成されるという体制が確立しました。


プロジェクト紹介ページ作成の流れ(2022年度版)

2023年度は残った課題を解決

Yamaha Awards 2022サイトに実装された自動化システムでは、応募側の担当者がチームメンバーの写真を別途アップロードする必要がありました。また、プロジェクト紹介ページの素材は応募者から提出されるPower Point資料から抜粋・転記する必要がありました。

2023年度のイベント「Yamaha Awards 2023」のサイトには、Microsoft 365アカウント上の社員情報から自動で写真データを取得し、ページに展開する機能が実装されました。これによって、プロジェクト紹介ページに掲載する素材を応募側が準備するという手間も削減されました。また、Power Point資料から必要情報を自動抽出する仕組みも実装されたことで、手動転記の工数が不要になりました。2022~2023年度の取り組みにより、プロジェクト紹介ページの全件掲載が実現され、ページ作成業務の大半が自動化されたことになります。


プロジェクト紹介ページ作成の流れ(2023年度版)

プロジェクト全件掲載を実現、サイト認知度も大きく向上

手動でページを作成していた時代、ファイナリスト15チームのプロジェクト紹介ページを完成させるのに、情報を集めるプロセスから考えると、この作業だけで5日間はかかっていました。現在は、100件を超えるプロジェクト紹介ページが全件掲載でき、それもページ作成自動化により、清洲さんの工数はほとんどかからなくなっています。

全件掲載の結果、Yamaha Awardsサイトへのアクセスが約4,000PVと大きく伸びました。グループポータルの全面リニューアルでもここまでの数字にはならなかったそうです。各プロジェクト紹介ページへのアクセスは、多いもので400PVを超えているとのこと。「挑戦」への関心が社内全体で高まっていることがわかります。

さらに、「いいね」マークもつくようになりました。清洲さんが個人的にうれしかったのは、アンケートでファイナリストに届かなかったチームから「挑戦してよかった」という声が届いていることです。これがまさにYamaha Awards開催の意義だからです。

清洲さんは、ページ作成に費やしていた時間を創造的な業務に割けるようになりました。Yamaha Awardsを契機に、部門内で行われている表彰の取り組みを取材してウェブサイトで紹介したり、新しい企画を立てて実施できる余裕が生まれています。

テンダの「すべて」に助けられた

テンダのサポートで何が助かったか、という質問に対して、清洲さんはこう答えました。

「すべてです。ページ作成自動化の構想もそうですし、どういう技術で実現するのかといったナレッジやノウハウ、分からないことを聞いたときにすぐに答えてくれるスピード、ウェブサイト分野のことは得意ではない私を気遣って、やさしくかみ砕いて教えてくれるサポート、そして、困った時は一緒に解決してくれる姿勢。いつも心強く思っています」

2024年度は、ページ作成自動化のシステムにMicrosoftのPower Appsを取り入れ、運営側と応募側、両方の業務効率化をさらに進めたいそうです。

Yamaha Awards Historyサイト構築が進行中

2008年から始まったYamaha Awardsの長い歴史を振り返るヒストリーサイト「Yamaha Awards History」構築の計画もあり、テンダとともに現在進行中です。オープン目標は、今年の「Yamaha Day」、2023年10月12日です。

ヤマハのさまざまなエンプロイーコミュニケーションの取り組みを、テンダがすぐそばで支えています。

 

会社プロフィール

ヤマハ株式会社
創業:1887
設立:1897
代表執行役社長:中田 卓也
資本金:2853400万円
従業員数:19,895人(連結)/平均臨時雇用者数:8,863
本社所在地:静岡県浜松市中区中沢町10番1号
事業内容:
・楽器事業(ピアノ、電子楽器、管・弦・打楽器等の製造販売等)
・音響機器事業(オーディオ、業務用音響機器、情報通信機器等の製造販売)
・その他の事業(電子部品事業、自動車用内装部品事業、FA機器事業、ゴルフ用品事業、リゾート事業等)
※会社プロフィールは2022年9月時点、取材対象者の情報は2023年7月31日時点のものです。

 

Microsoft 365利活用|株式会社テンダ